マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

掛け算から始まっている算数・数学(8)

 足し算と掛(か)け算とが深く絡(から)みあっていることについて――

 きのうまで、のべてきました。

 

 この絡みあいは――

 おそらく――

 どんな算数・数学についても、いえることです。

 

 ――足し算から始まっている算数・数学

 であっても、

 ――掛け算から始まっている算数・数学

 であっても――

 例えば、何か大きな数を表そうと思ったら――

 足し算と掛け算とは、どうしても互(たが)いに混(ま)じりあっていかなければならないのは――

 きのう、のべた通りです。

 

 ところで――

 

 ……

 

 ……

 

 きのうまでの説明では、

 ――足し算から始まっている算数・数学

 では、10進法(しんほう)を使い、

 ――掛け算から始まっている算数・数学

 では、“/・進法”を使いました。

 

 が――

 とくに10進法や“/・進法”であった必要はなく――

 

 例えば、12進法や“/◇進法”でも、とくに問題はありませんでした。

 

 見かけ上の説明は変わるのですが――

 説明の中身は、ほとんど何も変わりません。

 

 にもかかわらず――

 ぼくらが小学生のころから馴(な)れ親しんでいる算数・数学は、

 ――足し算から始まる算数・数学

 であり――

 しかも、

 ――10進法が中心になっている算数・数学

 であるわけです。

 

 決して、

 ――掛け算から始まる算数・数学

 でも、

 ――“/・進法”が中心になっている算数・数学

 でもないのですね。

 

 これは、なぜなのか――

 

 ……

 

 ……

 

 おそらく――

 ぼくらがヒトであったからです。

 

 もうすこし、くわしくいうと、

 ――ぼくらが 10 本指の持ち主であったから――

 です。

 

 ヒトには右手に 5 本、左手に 5 本――合計 10 本――の指がついていますよね。

 そして、それぞれの指は 1 本ずつ別々(べつべつ)に動かせるようになっています。

 

 このような 10 本指をもっていたので――

 ぼくらの祖先(そせん)は、

 ――足し算から始まっていて、かつ 10 進法が中心になっている算数・数学

 というものをつくりだしたのであろう――

 と考えられています。

 

 では――

 もし、ぼくらの祖先が、

 ――掛け算から始まっていて、かつ“/・進法”が中心になっている算数・数学

 というものをつくりだしていたとしたら――

 ぼくらの祖先は、いったい、どんな“指”をもっていたはずなのでしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 つづきは、あす――

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』