足し算と掛(か)け算とが深く絡(から)みあっていることについて――
きのうまで、のべてきました。
この絡みあいは――
おそらく――
どんな算数・数学についても、いえることです。
――足し算から始まっている算数・数学
であっても、
――掛け算から始まっている算数・数学
であっても――
例えば、何か大きな数を表そうと思ったら――
足し算と掛け算とは、どうしても互(たが)いに混(ま)じりあっていかなければならないのは――
きのう、のべた通りです。
ところで――
……
……
きのうまでの説明では、
――足し算から始まっている算数・数学
では、10進法(しんほう)を使い、
――掛け算から始まっている算数・数学
では、“/・進法”を使いました。
が――
とくに10進法や“/・進法”であった必要はなく――
例えば、12進法や“/◇進法”でも、とくに問題はありませんでした。
見かけ上の説明は変わるのですが――
説明の中身は、ほとんど何も変わりません。
にもかかわらず――
ぼくらが小学生のころから馴(な)れ親しんでいる算数・数学は、
――足し算から始まる算数・数学
であり――
しかも、
――10進法が中心になっている算数・数学
であるわけです。
決して、
――掛け算から始まる算数・数学
でも、
――“/・進法”が中心になっている算数・数学
でもないのですね。
これは、なぜなのか――
……
……
おそらく――
ぼくらがヒトであったからです。
もうすこし、くわしくいうと、
――ぼくらが 10 本指の持ち主であったから――
です。
ヒトには右手に 5 本、左手に 5 本――合計 10 本――の指がついていますよね。
そして、それぞれの指は 1 本ずつ別々(べつべつ)に動かせるようになっています。
このような 10 本指をもっていたので――
ぼくらの祖先(そせん)は、
――足し算から始まっていて、かつ 10 進法が中心になっている算数・数学
というものをつくりだしたのであろう――
と考えられています。
では――
もし、ぼくらの祖先が、
――掛け算から始まっていて、かつ“/・進法”が中心になっている算数・数学
というものをつくりだしていたとしたら――
ぼくらの祖先は、いったい、どんな“指”をもっていたはずなのでしょうか。
……
……
つづきは、あす――
『10 歳の頃の貴方へ――』