――風――数や形に関わる情報(じょうほう)
を上手に扱(あつか)えるようになろうと思ったら――
例えば――
算数・数学の問題を自分で作らないといけないし――
体育の競技(きょうぎ)や演技(えんぎ)の試合に出ないといけない――
と、きのう、のべました。
このように、のべると、
――え? ホントに?
と、ふしぎに思う人がいるでしょう。
――数や形に関わる情報を上手に扱えるようになろうと思ったら、本当に、自分で算数・数学の問題を作らないといけないの?
と――
――体育で「試合に出ないといけない」というのはわかる。でも、算数・数学で「問題を自分で作らないといけない」というのは、ちょっと、いいすぎではないの?
と――
……
……
もしかしたら、
――ちょっと、いいすぎ――
かもしれません。
が――
少なくとも算数・数学では――
ただ問題をたくさん解(と)いているだけでは――
数や形に関わる情報を上手に扱えるようにはならないのですね。
問題を自分で作らないと――
上手に扱えるようにはならないのです。
例えば、
――三角形の面積を求める。
ということを考えましょう。
――三角形の面積を求める。
というのは、面積という数や三角形という形を扱うことです。
三角形の面積を上手に求められるようになろうと思ったら――
とりあえず、三角形の面積を求める問題をたくさん解けばよい――
というのは――
その通りなのですが――
三角形の面積を求める問題をたくさん解いていけば――
そのうちに、三角形の面積を求める問題を自分でも作れるようになるはずなのです。
たしかに――
実際(じっさい)に作る必要まではないのかもしれません。
が――
作ろうと思えば、作れるようになる――
それが大切なのです。
……
……
少なくとも今の日本では――
算数・数学の勉強をするときに――
多くの人たちが、
――問題をたくさん解く。
ということに集中をしています。
――問題を自分で作る。
ということをやっている人は、ほとんどいないでしょう。
が――
――問題をたくさん解く。
ということの本当の目的は――
実は、
――問題を自分で作る。
ということなのですね。
問題をたくさん解くこと自体が目的であるかのように思われがちですが――
そうではなくて――
――問題を自分で作れるくらいに問題をたくさん解く。
です。
『10 歳の頃の貴方へ――』