2022年2月中旬――
ロシア政府がウクライナ侵略を始める直前――
ロシア政府の最高指導者は、
――北大西洋条約機構の軍がロシアへ攻め込んでくる。
という懸念を切実に抱いていたように感じられた。
それを――
北大西洋条約機構の加盟国および、それら加盟国の同盟国で暮らす人々の多くは、
――攻め込むわけがない。
と笑い――
取り合わなかった。
実際に――
北大西洋条約機構の側では――
攻め込む気は微塵もなかったはずだ。
が――
あの時――
ロシア政府の最高指導者の脳裏に、13世紀前半のウラジーミル・スーズダリ大公国の不名誉が去来をしていれば――
笑って取り合わなかったのは、不適切であった。
――「攻め込むわけがない」と、なぜいえる? 現に、13世紀前半、草原の者どもは攻め込んで来たではないか。
……
……
侵略をされた方は、いつまでも覚えている。
その遺恨や悔恨は――
800 年では消えぬ。
……
……
あの時――
ロシア政府の最高指導者の脳裏に、13世紀前半のウラジーミル・スーズダリ大公国の不名誉が去来をしていた可能性を――
北大西洋条約機構の加盟国および、それら加盟国の同盟国で暮らす人々は、真剣に案じるのが良かった。
『随に――』