マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

侵略を始めることができた理由

 2022年2月中旬――

 ロシア政府の最高指導者の脳裏に、13世紀前半のウラジーミル・スーズダリ大公国の不名誉が実際に去来をしていたか否かは、ともかく――

 

 その史実を直観的に思い浮かべたロシア人が、一定の割合で存在をしていた可能性は――

 誰にも否定をされえない。

 

 あの時――

 ロシア政府の最高指導者が切実に抱いていたであろう懸念――

 ――北大西洋条約機構の軍がロシアへ攻め込んでくる。

 との懸念――

 は、一定の割合のロシア人に共有をされていた、と――

 みるのがよい。

 

 独裁体制は、過半の民衆の積極的ないし消極的な支持で保たれる――

 と考えられる。

 

 ウクライナ侵略を始めたロシア政府の最高指導者が、独裁者か否かは措くとして――

 その政治家の切実な懸念が、過半の民衆に積極的ないし消極的に共有をされていたであろうことは疑えぬ。

 

 その切実な懸念を時の最高指導者と分け合った民衆のうちの何割かの脳裏に――あるいは、数パーセントの脳裏に――

 13世紀前半のウラジーミル・スーズダリ大公国の不名誉が去来をしていたのではあるまいか。

 

 そう、みなせば――

 ロシアが、国家の総力を注ぎ、ウクライナへの侵略を始められた理由が、みえてくる。

 

 少なくとも――

 今回のウクライナ侵略が、一人の政治家の妄執で始まったわけでないことは、みえてくる。

 

 『随に――』