人間、どうしようもなく腹が立ったときは、人生の孤独を噛み締めるに限ります。
人生の孤独とは、
――人は皆、一人で生まれ、一人で死んでいく。
という現実のことです。
無償の愛を注いでくれた親がいようと――
誰かを愛し、結婚をし、無償の愛を注ぐ子ができようと――
結局、人は孤独に生きています。
孤独の囲みの中で、絶望に喘いでいます。
喘いでいないようにみえる人も、そうみえるだけで、実際は喘いでいる。
有限な生命体としての境遇が、きちんと自覚されていないだけなのだと思います。
その自覚の強さが、人としての成熟度に関わってくるのではないでしょうか。
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それに関連する話かどうかは、わかりませんが――
皆さんは、年齢不相応に未熟な人に出会い、不快な思いをしたときは、どうされていますか?
先日、初めて知ったのですが、
――その人の実年齢を考慮しなければいい。
という考え方があるそうですよ。
――その人の精神年齢で考慮すればいい。
ということです。
精神年齢が15歳なら、15歳のごとく接してあげればいい。
20歳なら20歳のごとく――
――そうすれば、別に腹は立たないでしょう?
というお話です。
(なるほど――)
と思いました。
その人の社会的地位は愚か、実年齢すら考慮しないというのですから、なかなか思いきった考え方です。
悪くない考え方です。