マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

イカをスルメにする作業

 先日の「どっちバトン」は――
 質問に答えるよりも質問を考えるほうが面白いと思うのです。

 だから、自分でアレンジしたくなったわけですが――

 しかも、あの面白さは、学問的な面白さに通じるものがある思うのです。
 物事を単純化し、何か一対の両極端な事例を探してくる、という点が――です。

 イカをスルメにする作業ですね。

 もちろん、『スルメをみてイカがわかるか!』(養老孟司茂木健一郎著、角川 one テーマ21、2003年)の話です。
 以前の『道草日記』でも取り上げました。

 学者は、卓上の皿のスルメをみて、海中を華麗に泳ぐイカについて語れなければならない――という話です。

 スルメはスルメで、おいしいのですが――
 もともとは自然界に存在しないのですね。

 人間が、自分たちの味覚を満たすために考えだしたものです。

     *

 スルメに気をとられ、イカを忘れるようでは困りますね。

 自分のことです。

 学者さん云々をいう前に――
 物書きとして失格です。