相武紗季さんの写真集『10代――AIBU LOVE LIVE FILE』(集英社、2005年)を衝動買いした。
まさか衝動買いするとは思わなかった――自分でも――
*
相武さんは1985年生まれ――
最近は、TVや映画に登場することが多い。
一線級のタレントさんである。
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――相武紗季
の名を知ったのは、とある脚本家さんのブログである。
その方が相武さんを御贔屓にされていたからだ。
その理由が、わからなかった。
相武さんは可愛らしい方である。
かなり親しみやすい顔立をされているので、例えば、うちの近所を歩いていても、違和感がない。
つまり、格段の美少女というわけではない。
(どこがいいんだろう?)
と思った。
もちろん、その可愛らしいところに決まっているのだが――
いま一つ解せぬ。可愛らしいだけではタレントは勤まらぬ。
おそらく、業界内にしか通じぬ美点をもっているのだろう。
例えば、制作者の意図に忠実に沿える、などの美点である。
実際、この写真集の表紙(背面)をみれば、相武さんの美点は明らかだ。
(よくぞ、まあ、ここまで――)
という格好で収まっておられる。普通の女の子には真似できそうにない格好である。
にもかかわらず――あるいは、それゆえに――
相武さんの魅力が十分に発揮されているとは、いいがたい。
こういうタレントさんは、おそらく、たとえ自分の魅力を打ち消すとわかっていても、制作者の指示に従ってしまう。
そこが痛々しい。
だからこそ、かえって艶かしくもなる。僕が衝動買いをした理由も、たぶん、その辺と絡んでいるのだが――
まあ、それは別の話――
写真集にはDVDが添付されている。
相武さんの動画が収録されていた。
それをみて、
(やっぱり――)
と思った。
普段着のオフショットが一番、輝いている。
きわどい水着姿よりも美しい。
相武さんは写真よりも動画で輝くタイプだ。
普通は逆である。
動画はダメでも写真はOK――が多い。
だから、相武さんは非凡だ。
そういえば――
僕の印象に残っていた相武さんも、TVのCMやドラマのワンシーンだ。
なるほど――
脚本家さんが入れ込むわけである。
水着よりも普段着が似合うタレントさんは、貴重な素材に違いない。
そういうタレントさんのためだけに脚本を書く気にも、なれるのだろう。