マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

あまり認めたくない

 昨日、都内を移動中に、電車の中で、何となく違和感のあるカップルをみつけまして――

 いえ、ホントは「カップル」とは呼びたくないのですけれど、

 ――まあ、たぶん、そうでしょう。

 という意味合いを込めて――
 敢えて「カップル」と呼ぶわけですが――
 50代くらいの男性と20歳そこそこの女性とのカップルなのですよ。

 男性は、細身で、オシャレで、背も高く、まあ「カッコいい」といっても構わないくらいでありまして――
 女性は、ややポッチャリな感じで、古風なブラウスが似合い、まあ「カワイイ」といっても構わないくらいだったのですが――
 気になる点が一つ――

 妙に男性が卑屈そうなんですよね。
 女性は、どちらかというと、ツンとしている感じ――

 男性が、これから2人で見にいく映画の話を、一生懸命にしているのに対し――
 女性は、「ふん、ふん、ふん」と横柄に生返事で応じているわけです。

 ――みちゃいられない。

 ってのは、このことですね。

(そんなに卑屈でいいのか、オジさんよ――もう少し堂々としてても、バチは当たらないと思うぞ)
 って思いましたよ。

 いえ、これが親子ならいいのですよ。
 表面には出てこない絆のようなものが、なんなく伝わってくるから、落ち着きが感じられる。

 けど、「カップル」じゃね。
 しかも、50代と20歳そこそこ――
 そんな絆なんか、あるわきゃないし――

 あるわきゃないって、わかりきってるものだから――
 みているほうとしては、かえって切なくなってきちゃうのですよ。

 まあ、客観的にいって、その「切なさ」の実態には、みているほうの精神世界も十分に関与しているはずですが――

 いわゆる、

 ――自己憐愍

 ってヤツですね――
 僕も十分にオジさんなので――

 ああ、これ、イヤだな。

 あまり認めたくない(笑