マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

こんな夏なら

 今日の仙台は冷たい雨が降り続きました。
 8月の冷たい長雨は、人の心を秋模様へ一気に描き換えますね。

 職場にいっても、友人と会っても、タクシーに乗っても――
 季節外れの秋雨が話題にのぼります。

 まあ、世間ではオリンピックも終わりましたし――
 ちょうどよいタイミングなのかもしれません。

 それに――
 この夏は、ずっと涼しかったわけではない――
 一度は、かなり暑くなりましたからね。

 そこまで考えて――
 ふと、気づきました。

(夏にならないまま終わってしまう夏と、夏がさっさと終わってしまう夏と、いったいどっちが寂しいんだろう?)
 と――

 自問への自答は、即答でした。
(さっさと終わってしまう夏のほうだな)

 人間は変化に弱い存在です。

 もちろん、この世界にあっては、万物は、すべからく変化に弱いわけですが――
 なかでも人間――生き物――は変化に弱い――

 ついこの前まで暑かったのに、今は長雨で肌寒いというのは――
 ずっと梅雨時から続いている長雨で肌寒いというのよりも、格段に人間の心を弱らせるように思います。

 変化の度合いが激しいからです。

(こんな夏なら、冷夏のほうが、よっぽどマシだよ)
 と、降りしきる雨空に向かって恨めしく呟いてみせても――
 何の解決にもなりません(笑