――アメリカ人はケチャップとピーナッツ・バターがあれば満足する。
などといわれますね。
アメリカ人の味覚の単純さを揶揄したものです。
もちろん――
実際のアメリカ人の多くが本当に「ケチャップとピーナッツ・バター」で「満足する」かどうかはさておき――(笑
この悪口から漂ってくるニュアンスは、
――ケチャップやピーナッツ・バターは食べ物の味を画一化してしまう。
ということだろうと思います。
というのは――
日本人にだって、何にでも醤油をかける人はいますよね。
にもかかわらず、
――日本人は醤油があれば満足する。
という悪口は、たぶん成立しないのです。
なぜならば――
醤油は、調理の仕方や素材との合わせ方で、味が色々に変化するからです。
ケチャップやピーナッツ・バターのように画一化したりはしない――
ケチャップやピーナッツ・バターは――
熱を通そうが通すまいが――
肉に合わせようが、野菜に合わせようが――
卵に合わせようが、パンに合わせようが――
ほとんど得られる味覚は一緒です。
少なくとも、僕個人は、自分の味覚体験を通し、そのような印象を確立してきました。
……
……
ここまで考えて、ふと思ったのですが――
仮に何にでもケチャップをかけたり、ピーナッツ・バターをぬったりするアメリカ人がいたとして――
その人は、実は調理や素材との組み合わせの妙を常に楽しんでいるということは、本当にないのでしょうか――
ちょうど僕らが醤油でそれを楽しんでいるように――
……
……
う~む(苦笑
……
……
もし、ケチャップやピーナッツ・バターが大好きだというアメリカ人が身近にいたら――
まず、そのことを、ぜひ確認してみたい(苦笑