マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

活字中毒に

 本屋さんに入ったら、すぐに本を買ってしまう――
 読書をたしなむ人なら、誰もが経験することでしょう。

 いうなれば――
 読書をたしなむ人にとっての本屋さんは、お腹(なか)を空かせている人にとってのレストランのようなものです。

 想像してください。

 お腹が空いているとします。
 取引先との商談のためや友人との付き合いのためにファミリーレストランに入ったとします。

 最初は、コーヒーの類いを注文するにとどめていました。

 が――
 周囲の人たちが、おいしそうに食べているのをみかけたら――
 どうしたって何か食べ物を注文せずにはいられないでしょう。

「お腹が空いている」とは、そうしたことです。

 読書をたしなむ人は、いつも活字に飢えています。
 何かを読んでいないと落ちつかない――イライラしてしまう――

 そういう人が本屋さんに入ると――
 あっという間に本を買ってしまう――

 仕方ないのです。

 だって――
 お腹を空かせているようなものですから――

 とはいえ――
 お腹が空くのは万人に共通ですが――
 活字に飢えるのは万人に共通ではありません。

 読書をたしなむ人――悪くいえば活字中毒の人――にしか当てはまりません。

 読書に興味のない人には、まったく理解できない欲求です。
 お腹を空かせたことのない人に、お腹が空いている感覚は、理解できません。

 こんなことを書いている僕は――
 実は、どちらかといえば読書に興味のないほうでして――(苦笑

 いや――
 読書はしていますよ――とくに仕事で必要なときなどは、かなり真剣に――

 ただし――
 本を買うのは、必要に迫られてであり――
「お腹が空いているから」ではないのです。

 そんなわけだから――
 本屋さんに入って本を買うときは、いつもゲンナリしています。

 本屋さんを出る頃には、ぐったり疲れています。

活字中毒になりたいな)
 最近、強く思います(笑