マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

どちらも責める気にはならない

 おとといの夜の記者会見で――
 麻生総理が記者の質問に苛立ちを隠せなかったそうですね。

 自民党が、来る臨時国会で首班に麻生総裁を指名するかどうかで,党内がまとまっていないようなのですが――
 そのことへのコメントを求められ、苛立ち混じりに、

 ――その質問には答えない。

 と応じたのだそうです。

 この他にも、記者に嫌味をいったり、逆に質問をしたりして――
 2分間の会見時間は、終始、険悪なムードであったとか――

 記者の質問の内容を糾す声がある一方で――
 麻生総理の資質を厳しく問う声もあるそうです。

 たしかに――
 記者の質問の内容には価値を感じられないし――
 麻生総理の言動に敬意を抱くことは難しい――

 とはいえ、

 ――どちらも責める気にはならない。

 とも思いますね。
 強いて責めるなら、

 ――TVが悪い。

 でしょうか(笑

 TVカメラの前に総理大臣がいれば、何をやってもニュースになってしまう――
 無価値な質問に苛立ってみせただけでもニュースになってしまう――
 その即時性が問題なのですよ。

 もちろん――
 TVというメディアの最大の利点が即時性であることは、よくわかります。

 が――
 その即時性に寄りかかっていては、よい報道は行えないし、よい番組は作れないでしょう。

 即時性は、十分に制御されなければ、ただの暴発です。

 TVは蒸気機関のようなものです。

 蒸気機関は、高圧の蒸気を制御せずに噴射しても、意味を成しません。
 それでは空焚きになってしまいます。

 高圧の蒸気を巧みに制御して噴射してはじめて――
 蒸気機関としての機能を発揮するのです。