マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人の迷いや悩みは

 人の迷いや悩みは――
 思い込みから始まると思っています。

 自分の思い込みを思い込みと弁え、それを少しでも客体化し、ついには、さっぱりと忘れてしまわない限りは――
 自分の思い込みに、結局は自分自身が振り回され続けるでしょう。

 では、どうすれば自分の思い込みを客体化し、忘れることができるのかといえば――
 基本は、

 ――理屈

 だと思います。

 理屈に頼る、あるいは、理屈にすがる――
 ということですね。

 思い込みに支配された自分に、理屈の力を駆使して迫り、やがて自分を説き伏せていくしかない――

 もちろん、最初は、自分が思い込みに支配されているとは夢にも思っていませんから――
「思い込みに支配された自分」を説き伏せるのではなく、「思い込みに支配されているかもしれない自分」を説き伏せるのです。

 これは、けっこうしんどい――

 この際に必要になってくるものが、

 ――疑心

 でしょう。
 自分自身を疑い続ける心です。

 ――自分は思い込みに支配されているかもしれない。

 と、つねに自問をする警戒心です。

 それは、忍耐心といってもいいかもしれません。
 自分自身を疑い続けることは、一般的には、かなりの苦痛ですから――

 けれども――
 自分の思い込みに振り回され続ける苦痛に比べたら、少しは楽だろうと思います。

 自分自身を疑い続ける苦痛は能動的ですが――
 自分の思い込みに振り回され続ける苦痛は受動的です。