マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ところどころで破れているくらいが

 文章には“乾いた文章”と“湿った文章”とがありまして――
 “乾いた文章”というのは、

 ――事実と論理とに基づいて記述された文章

 であり、“湿った文章”というのは、

 ――感情や情念が行間に描きこまれた文章

 です。

 感情や情念が、ただ描きこまれていればいい、というものではなくて――
 行間に描きこまれていなければなりません。

 文中に直接的に描きこまれていたら――
 それは“破れた文章”とでもなりましょうか。
 読むほうがいたたまれない気分になってしまう――

 もちろん、そうした文章にも良さはあって、一概に否定されるべきではありませんが――
 文章というものは、ところどころで破れているくらいがちょうどいいのであって――
 始めから終わりまで破れっぱなしでは、ちょっと読むのがつらくなります。