マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「濡れた知性」は下品すぎる

 人の欲望を、

  食欲・性欲・知識欲・自己実現欲・金銭欲・名誉欲・権力欲……

 というふうに片っ端から挙げていくと――

(ああ、キリがない!)
 と思いますが――

 もし、人を――
 生物種の1つである“ヒト”とみなすなら――

 これら数々の欲望を――
 わりとスッキリと分類できることに気づきます。

 すなわち、

  ① 個体の維持に必要な欲望
  ② 生物種の維持に必要な欲望
  ③ それ以外の欲望

 の3つの分類です。

 ①の代表例は食欲であり――
 ②の代表例は性欲です。

 これら以外の欲望は――
 すべて③になります。

 ……

 ……

 ③の欲望は、

 ――余剰の欲望

 とでも呼ぶのがよいのではないかと思っています。

 やや詳しく記せば、

 ――本来は不必要な余剰の欲望

 ですね。

 知識欲も自己実現欲も金銭欲も名誉欲も権力欲も――
 これら欲望がなくても、個体としてのヒトは生きていけるし、生物種としてのヒトも残っていける、という意味では――
 どれも同じです。

 で――

 ……

 ……

 ふた昔ほど前に――
 これら3種類の欲望に根ざした知性を論じたことがあります。

  ③ 本来は不必要な余剰な欲望

 に根ざした知性を、

 ――乾いた知性

 と呼び、

  ① 個体の維持に必要な欲望

 に根ざした知性を、

 ――湿った知性

 と呼び、

  ② 生物種の維持に必要な欲望

 に根ざした知性を、

 ――濡れた知性

 と呼びました。

 そうしたら――
 ある女性から、

 ――「乾いた知性」や「湿った知性」はともかく、「濡れた知性」というのは、いくらなんでも下品すぎる。

 と批判されました。

(たしかに……)
 と思って――

 以後――
 このアイディアを封印し――

 今日に至っています。

 ……

 ……

 何か適切な呼称は、ないですかね~。