仮定の議論というのは――
砂上の楼閣です。
前提とする仮定が間違っていれば――
以後の議論は――
たとえ、それが、どんなに精緻に組み立てられそうに思えたところで――
まったく意味をなしません。
仮定は“砂の土台”なのです。
砂漠の砂山は風に吹かれて姿を変えるといいます。
それと同じように、“砂”の土台も、現実という“風”に吹かれて変化自在に形を変えるでしょう。
その上に“楼閣”を築くことは、頭の中だけでは――あるいは、図面の上だけでは――可能なのですが――
実際には築き上げることはできません。
“風”が吹き荒めば、“砂”の土台は形を変えうるのです。
そうなれば――
“楼閣”が土台を失い、崩れ落ちるのは、理の当然です。
堅牢な“楼閣”を築くには――
まずは現実という“風”をとらえることです。
現実は“風”です。
いつも吹き荒んで、とらえどころがない――
その“風”に、いくら強く吹き晒されても平気なくらいに――
盤石な地盤を探すことです。
そして――
その上に“砂”を敷き詰めたりせずに――
盤石な地盤へ直付けで“楼閣”を築き上げることです。