夫婦関係は一般論では扱えない――
よって――
夫婦関係を一般的に論じるには、夫婦関係以外の何か他の関係を一般論で扱うことで代替するしかない――
そのように――
きのうの『道草日記』で述べました。
では――
その“夫婦関係以外の何か他の関係”とは何か――
……
……
難しく考えてはいけません。
その関係とは――
ずばり、
――男女関係
です。
つまり――
夫婦関係を起点とみなして――
例えば――
この夫は、どのような男なのか――
この妻は、どのような女なのか――
といった問いの立て方をするのではなく――
男女関係を起点とみなして――
例えば――
どのような男が、どのような経緯で夫となったのか――
どのような女が、どのような経緯で妻となったのか――
といった問いの立て方をするのがよい――
そういうことです。
……
……
そもそも――
最初から夫である人や最初から妻である人など――
この世には存在しません。
虚構の世界なら、ありえますが――
現実の世界には、ありえません。
人は――
まずは、子として生まれ、育ち――
思春期を経て、ゆるかに男ないし女となり――
それら男と女とが出逢って――
ある日、突然、男は夫となり、女は妻となります。
もちろん――
必ずしも夫ないし妻となるわけでもありません――男のまま、女のまま、というケースも、しばしばみかけます。
あえて結婚という形式をとらない男女関係は――
決して珍しくはありません。
よく考えたら――
夫婦関係にない男女関係というのは、いくらでもありますが――
男女関係にない夫婦関係というのは、基本的には、ありませんよね。
よって――
一般論になじむのは、夫婦関係ではなく、男女関係のほうである――
ということは――
よくおわかりいただけるかと思います。
このことは何を意味しているのかといいますと――
10代、20代の若夫婦はもちろん――
たとえ――
70代、80代の老夫婦であっても――
根底にあるのは男女関係であって――
夫婦関係のほうではない――
ということですね。
夫婦関係は、「男女関係」という名の土台に乗った――
楼閣のようなものです。