夫婦関係の妙は――
何に端を発しているのでしょうか。
ここでいう「夫婦関係の妙」とは、
――夫婦関係とは実に千差万別であり、どの２組の夫婦を比べても似たような関係は存在しそうにないこと
をいいます。
……
……
一般に――
親や兄弟姉妹は内の人で――
友人や知人は外の人――
それが、ふつうの捉え方でしょう。
少なくとも――
友人や知人の誰かに恋を覚え――
その“誰か”が恋人になるまでは――
そうです。
その恋人との間に愛を弁えるようになると――
人は、内や外の捉え方に修正を強いられます。
恋人は友人や知人から始まっていますから――
あきらかに、
――外の人
です。
その恋人と同棲を始めたり、あるいは、結婚を意識し始めたりすれば――
しだいに“外の人”ではなくなっていきます。
が――
すぐに親や兄弟姉妹のようにはなれません。
つまり――
親や兄弟姉妹ではない、けれども、友人や知人でもない――
そんな存在に変わっていくのです。
いいかえれば――
恋人が夫や妻に変わっていく過程で――
その恋人は“外の人”でも“内の人”でもない何かに変わっていく――
ということです。
夫婦関係の妙は――
すべて、この、
――内と外との混在
に端を発しているように――
僕には思えます。
