話したくない話は、話さないほうがいいのです。
話したくないことを無理に話せば――
その話し手は、あとで、きっと悔いることになるでしょう。
悔いは、喉に刺さった棘です。
忘れ去ることが難しい――いつまでも覚えている――
だから、いつまでも拘っている――いつまでも惑い続けている――話したくないことを、つい話してしまったばっかりに――
そういうことにならないように――
話したくない話は、自然と話したくなるまで、じっと待っていればよいのです。
ということは――
聞き手の立場になってみれば――
話し手が話したがっていない話を、どうにかして引き出すコツがあります。
それは、ただ一つ、
――時間を使う。
ということです。
その話し手が自然と話したくなるまで――
ただひたすらに待ち続けている――
そういうことです。