マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

無自覚の失敗は恐れたほうがよい

 ビジネスの失敗には――
 防げる失敗と防げない失敗とがあります。

 防げない失敗とは――
 きのうの『道草日記』で述べたような「ふつうの失敗」です。

 すなわち――
 利益追求型のビジネスで利益を獲得し損ねることや――
 損害抑制型のビジネスで損害を回避し損ねることです。

 これらは――
 人である以上は、ある一定の危険率で、決して避けることのできない失敗です。

 これに対し、防げる失敗というのは「別次元の失敗」です。

 簡単にいうと――
 意図的な脱法・不正・悪用のことです。

 こうした失敗は、たいていはビジネスの根幹を見失っているときに起こります。

 利益追求型のビジネスを損害抑制型と誤解したり――
 損害抑制型のビジネスを利益追求型と曲解したり―― 

 呼称をもう少し工夫したほうがよいでしょうね――「別次元の失敗」ではなく、

 ――無自覚の失敗

 がよいでしょうか。

 社会に出た後も出る前も――
 しばしば、

 ――失敗を恐れるな。

 と、いわれます。

 たしかに、「ふつうの失敗」は恐れてはいけません。
 子供のときはもちろん、大人になった後も、どんどん体験すればよい――

 が――
 無自覚の失敗は、そうはいきません。

 一度だって失敗しないほうがよい――むしろ、もっと積極的に恐れたほうがよい――

 だからこそ――
 ビジネスの利益追求型と損害抑制型との違いを、子供のうちから教え込むのがよいのだと、僕は考えます。

 学校教育に組み込むのが理想でしょう。

 無自覚の失敗は――
 社会全体で真剣に恐れたほうがよいと思います。