言葉のお遊びとして、
――歴史上の人物に何でもいいから質問できるよ。何を質問する?
といわれたときに――
(はて、なんと質問しよう)
と思いましてね。
(そもそも、なんのために質問するんだ?)
と――
僕は歴史が好きで、いわゆる歴史ファンの一人を自認しておりますが――
別に、とくに歴史上の人物と会いたいとは思っていない自分に――
そのとき、初めて気づきました。
だって――
下手に会って自分の想像が壊れるのは、つまらないし――
仮に想像通りであったとして、それはそれでつまらないし――
もし仮に自分が歴史学者だったとして、それで歴史上の人物と会えるのだとしたら――
たぶん「自分の学説を深めるために色々と訊かねばならない」などとは思うでしょうが――
それは、あくまで自分の仕事のためであって――
歴史ファンとしては、とくに会いたいとは思わないのですね。