子供が病院に行って泣き出すのは――
痛みの伴う治療を受けてのことだと、つい思いがちですが――
実際には、
――何をされるかわからない不安感・恐怖感
で泣き出すのだといいます。
もちろん、注射などで相応の痛みを覚えて泣いているのは間違いないとは思いますが――
泣き叫ばなければしのげないような痛みというのは、どんな病院でも稀です。
実際には、「不安感・恐怖感」に耐え切れなくて泣いている――
この「不安感・恐怖感」は――
おそらくは――
子供だけのものではないだろうと思います。
大人だって、相応の「不安感・恐怖感」を抱いている――
本当は、
――これから何をされるのか……。
と、おののいている――
ただ、「大人」なので――
その「不安感・恐怖感」を巧い具合に制御できてしまうのですね。
この「制御できること」がよいことなのかどうかは、微妙だと思っています。
もちろん――
治療をするほうにとっては、ありがたいことですが――
治療を受けるほうにとっては、むしろ制御できないほうがよいのではないか――
その「不安感・恐怖感」を素直に表に出せるほうが、ずっとよいのではないか――泣き叫ぶところまではいかなくても――
そう思います。