――“生きている”ではなくて、“生かされている“――
そういう感覚を忘れずに日々を暮らしていけたら――
と思います。
多忙な日常に追われつつ、
――ほかでもない、この私が自分の意志で生きているのだ!
と思うからこそ――
人は、つい傲慢不遜になってしまうのであって――
そうではなく、
――ありがたいことに、今日まで生きることを許されてきた。
と思うようにすれば――
人は、いつも温良恭倹でいられるのではないでしょうか。
もちろん――
そう思って暮らしていくのは、並大抵の難しさではありませんが……。
以下は聞いた話です。
*
人は――
どうすれば、傲慢不遜にならずに生きていけるのか――
実は、そんなに難しいことではない――
といいます。
――この世には、わずかばかりの不運のせいで、決して取り返しのつかない不幸に見舞われることがある。そのような不幸を見かけたら、黙って哀悼の意を表しつつ、いつ同じ不幸が自分の身に降りかかってきても不思議ではないことを肝に銘じることだ――あらん限りの想像力の全てを使って――
たしかに、“生かされている”という感覚は、そうした現実の厳しさの実感を反映したものに違いありません。