人は誰しも、
――感情的にならずに生きていたい。
と願うもの――
と、僕は考えています。
少なくとも――
誰かから、
――あの人は感情的だ。
と思われて――
気分が良くなるような人は、たぶん、いないでしょう。
が――
感情的にならずに生きているということは――
そう簡単ではありません。
人は本来、感情的な存在なのです。
もし、自分を感情的な存在でないと思っている人がいたとすれば――
その人は、たぶん自分の感情を自分でコントロールできると信じているのでしょう。
あいにく――
自分の感情は、自分でも、なかなかコントロールできません。
そもそも、何かをコントロールするには――
コントロールする対象を意識し、把握することが必要ですよね。
が――
自分の感情を意識し、把握すること自体が、なかなかに難しいのです。
なので――
感情的にならずに生きていようと思ったら――
まずは、自分の感情をコントロールしようとするのではなく――
自分の感情を意識し、把握しようとすることから始めるとよいでしょう。
――今、アタシは腹を立ててしまった。
とか、
――さっきオレは恥ずかしいと思った。
とか――
そうやって自分の感情を意識し、把握した上で――
それを、とくに隠さない――
――私の感情をわかりたかったら、どうぞどうぞ、わかっちゃって下さい。
と開き直る――
そうやって――
日々の生活のなかで、絶えず自分の感情を相対化し続けることができたなら――
とりあえず「あの人は感情的だ」と思われずに済む……かもしれない――
そう考えています。