主義・主張の異なる政治家どうしが――
公開討論で激しく議論を交わした後に――
その討論の舞台の袖で――
和やかに談笑している姿は――
賛否が分かれるかもしれません。
ひょっとすると、
――さっきの激しい議論は茶番だったのか。
と――
不快感を抱くような人がいるかもしれませんね。
が――
こうした政治家たちの変わり身は、
(大変に結構なことだ)
と、僕は感じます。
この変わり身は、
――政策の議論と個人的な交流とは別
という発想に基づいています。
選挙で政権を争う民主主義の社会では、きわめて健全な発想です。
ひとたび政治のことを離れても――
この「議論と交流とは別」という発想は――
非常に大切だと感じます。
議論というものは――
ふつうは、不可避の必要性があるから交わすのです。
この必要性の観点で一致さえしていれば――
意見を激しく衝突させることと、個人的な関係を良好に保つこととは――
十分に両立しえます。
裏を返せば――
こうした観点で一致をしていなければ――
意見を激しく衝突させることで、感情的にこじれる可能性は高くなり――
当然ながら――
個人的な関係を良好に維持することは難しくなります。
……
……
民主主義の社会では――
あらゆる政治家が――
議論の必要性の観点で完全に一致しているはずですから――
公開討論が終わった後に舞台の袖で和やかに談笑することは――
望ましい行為であり、理想的な光景であり――
むしろ当然の帰結といえます。