マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

断りを入れてお世辞をいう

 ――これからいうことは決してお世辞ではない。

 と、わざわざ断りを入れてから――
 お世辞をいう人というのは――

 なかなかに憎めませんね。

 ……

 ……

 世間には、

 ――人は基本的にはウソをつくべきでないが、決してバレないウソなら、ついてもよい。

 という考え方があります。

 これを踏まえれば――
 お世辞は、十分に注意すれば、“決してバレないウソ”の典型ですから――

 わざわざ「お世辞ではない」と断ってからお世辞をいうのは――
 まったく問題がありません。

 むしろ――
 そのように断りを入れてまで、お世辞をいっているのですから、

 ――その心意気や善し

 といったところでしょう。

 もちろん――
 そのお世辞が、打算的な迎合などでは決してなく――
 相手を元気づけるための思いやりであることが、前提ですけれど――