――これからいうことは決してお世辞ではない。
と、わざわざ断りを入れてから――
お世辞をいう人というのは――
なかなかに憎めませんね。
……
……
世間には、
――人は基本的にはウソをつくべきでないが、決してバレないウソなら、ついてもよい。
という考え方があります。
これを踏まえれば――
お世辞は、十分に注意すれば、“決してバレないウソ”の典型ですから――
わざわざ「お世辞ではない」と断ってからお世辞をいうのは――
まったく問題がありません。
むしろ――
そのように断りを入れてまで、お世辞をいっているのですから、
――その心意気や善し
といったところでしょう。
もちろん――
そのお世辞が、打算的な迎合などでは決してなく――
相手を元気づけるための思いやりであることが、前提ですけれど――