思いやりのある冗談とは――
どのような冗談でしょうか。
冗談には2種類あると思っています。
1)ウソをいう冗談
2)ホントのことをいう冗談
の2種類です。
このうち、「ウソをいう冗談」というのは、
――私の愛読書は『六法全書』です。
といった類いのものです、
もちろん、『六法全書』を愛読している人など、法曹界にだって稀でしょう。
仕事で必要だから仕方なしに熟読している、という人がほとんどであろうと思います。
にもかかわらず、「愛読書は『六法全書』です」という――
――そんなわけないだろ!
と思わせることで笑いを誘おうとする冗談ですね。
これに対し、「ホントのことをいう冗談」とは、
――読書は大好きですが、『六法全書』だけはダメです。
といった類いのものです。
もちろん、これはホントのことですよね。
読書を話題にしながら、わざわざ読書と最も縁遠そうな『六法全書』を引き合いに出すことによって、
――なんじゃ、そりゃ?
と意外性を示すことで笑いを誘おうとする冗談です。
どちらの種類も冗談として認知はされています。
が――
より危険なのは、「ウソをいう冗談」のほうです。
もし、それが冗談だと解釈されないときは、
――え? この人は何をいってるんだ?
と困惑させることになるでしょう。
一方、「ホントのことをいう冗談」は、あくまでもホントのことをいっているのですから――
仮に、それが冗談だと解釈されなくても、とくに困惑が広がることはない――
よって――
思いやりのある冗談は、「ウソをいう冗談」のほうではなく、「ホントのことをいう冗談」のほうだということになります。