マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

30年前のTVアニメの主題歌を

 30年前のTVアニメの主題歌を大声で歌っている集団と――
 すれ違いました。

 夕方遅く――
 住宅地でのことです。

(面白い!)
 と思わず笑ってしまったのですが――

 面白かったのは――
 その集団が中学生であったことです。

 僕は今年で44歳なので――

 30年前は14歳――まさしく中学生の真っ只中でした。

 もし――
 当時の僕らが、夕方遅くの住宅地でTVアニメの主題歌を大声で歌っていて――
 それを当時44歳の大人が耳にしたとして――

 その大人が、当時の30年前――つまり、60年前――を懐かしむということは――
 たぶん、ありえません。

 今から30年前と60年前とで共有されたTVアニメの主題歌というのは――
 存在しないはずです。

 日本で本格的なTVアニメの放送が始まったのは、1960年代の前半のことでした。

 よって――
 少なくともアニメ史的な観点からいえば――
 1957年と1987年との断絶は――
 2017年と1987年との断絶とは比べものにならないくらいに峻厳でした。

 この断絶の違いが――
 日本のアニメ史に限ったことなのか、それとも日本の文化史全般にわたって広くみられることなのかは――
 もちろん、軽々には論じられません。

 が――

 1980年代にTVアニメをみて育った僕にとっては――
 少なくとも2017年と1987年との断絶は、

 ――あってないようなもの

 に感じられます。

 30年前のTVアニメの主題歌を大声で歌っていた中学生の集団は――
 30年前に中学生であった僕らと、少しも変わらないようでした。