――個性
というと――
生まれつきの性質と考えられがちですが、
――「習得される個性」というのもある。
という考え方があります。
しばしば教育現場などで、
――個性を伸ばせ。
といわれるのは――
この“習得される個性”を指しているのですね。
……
……
――習得される個性
とは何か――
例えば――
何を学び、何を学ばないか――
何に親しみ、何に親しまないか――
あるいは――
どんな体験を望み、どんな体験を避けるか――
どんな習慣を身につけ、どんな習慣をやめるか――
これら判断の一つひとつを主体的かつ意識的に下していくこと――
また――
そのことによって形づくられていく個性――
それが「習得される個性」の実態です。
つまり――
個性とは“習得の履歴の総体”――
ということができます。
よって――
ある人の“習得される個性”の実態が把握できれば――
その人の生活史の概要を推し量ることさえできるのですね。
――男は40を過ぎたら自分の顔に責任をもたねばならない。
とは――
アメリカの南北戦争当時の大統領エイブラハム・リンカーンの言葉ですが――
どうやら――
“男の顔”だけでなく、“人の個性”についても――
似たようなことがいえそうです。
すなわち、
――人は40を過ぎたら自分の個性に責任をもたねばならない。
と――