マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

男女関係――15歳&45歳? 5歳&15歳?

 生物種としての人は――
 つまり、ヒトは――

 12歳から16歳までに、脳を完全に成長させ――
 その後、18歳から21歳までに、体を完全に成長させる――

 と考えられているそうです。

 要するに、

 ――先に脳が成長し、次いで体が成長する。

 ということですね。

 脳の成長は心の成熟に、ほぼ相当します。

 もちろん――
 きのうの『道草日記』でも述べたように――
 「脳の成長」と「心の成熟」とは、決して同義ではなく、

 ――脳の成長があって初めて心が成熟しうる。

 という意味で――
 両者は相関しています。

 では――

 体の成長に相関するのは――
 具体的に何でしょうか。

 ……

 ……

 もちろん――
 広義には、体を効果的に使えるようになること――
 つまり、

 ――感覚器や筋肉の機能の増強

 あるいは、

 ――全般的な運動能力の獲得

 などの全てを指すでしょう。

 が――
 狭義には、子孫を残せるようになること――
 つまり、

 ――繁殖能力の獲得

 を指します。

 ……

 ……

 以上に述べた知見は――
 ヒトの特性を考える上では、大変に重要です。

 つまり、

 ――人は、心が成熟してから子孫を残せるようになるのであって、その逆ではない。

 という点は――
 ヒトの特性として決して看過できない――
 といえましょう。

 僕は――
 最近まで、ずっと“逆”だと思っていました。

 つまり、

 ――人は、子孫を残せるようになってから心が成熟する。

 と――
 何となく思っていたのですね。

 この素朴な考えは――
 ゴリラなどの類人猿との比較から――
 暗に否定されるのだそうです。

 どういうことか――

 ……

 ……

 もちろん――
 類人猿に心があるかどうかの議論は、厄介です。

 よって――
 それは、ひとまず措くとして――

 仮に類人猿にも心があるとみなすのであれば――
 その脳や体の成長の速さから、

 ――類人猿は、子孫を残せるようになってから、心が成熟する。

 と考えられるらしいのですね。

 裏を返すと――
 ヒトの脳や体の成長の速さからは、

 ――ちょっと、そのようには考えにくい。

 ということです。

 ……

 ……

 ――先に心が成長を遂げ、次いで体が成長を遂げる。

 というヒトの特性に着眼すると――
 例えば、ある種の少年愛少女愛嗜好の現実を巧く説明できます。

 世の中には――
 10代と30代あるいは40代くらいとの間に、「男女関係」としか呼びようのない対人関係が――
 たまに成立していますが――

 たしかに――
 人の脳が、早ければ12歳までに成長を終えるのであれば――

 例えば――
 15歳と45歳との男女関係は、

 ――そんなにおかしくはない。

 ということになります。

 逆に――
 5歳と15歳とであれば――
 それは、

 ――おかしい。

 ということになります。