マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

健全な色気とは?

 ――健全な猥褻(わいせつ)

 が成り立つためには、

 ――健全な色気

 と、

 ――健全な背徳

 とが必要だ――
 ということを――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 また――
 これらのうち、“健全な背徳”とは――
 虚構の背徳のこと――物語の中の背徳のこと――である、とも――
 述べました。

 では、“健全な色気”とは、何でしょうか。

 ……

 ……

 大雑把に考えると悩みませんが――

 厳密に考えると――
 なかなかに悩ましい概念です。

 ……

 ……

 “健全な色気”を考えるより、“不健全な色気”を考えるほうが――
 簡単のように思います。

 “不健全な色気”がわかれば、“健全な色気”もわかります。
 “不健全な色気”ではない色気が“健全な色気”と考えられるからです。

 では、“不健全な色気”とは、何でしょうか。

 ……

 ……

 色気とは――
 生殖欲求を醸し出す感覚だと述べました。

 よって――
 その醸し出し方が、過剰であれば――
 それは、

 ――不健全な色気

 といってよいでしょう。

 例えば――
 パーティ会場にドレスをきていけば、過剰な色気は出ないと思いますが――
 パーティ会場にビキニをきていけば、過剰な色気が出ると思います。

 場違いな色気といってもよいでしょう。

 ……

 ……

 西欧風のファンタジーで――
 ふた昔以上前からステレオタイプとして認知されているキャラクター造形に、

 ――水着みたいな鎧をまとった女戦士

 というのがありますが――

 あの色気も“不健全”であるに違いありません。

 背徳は、とりあえず物語の中に放り込んでおけば、どうにか“健全”となりますが――
 色気は、そうはいかないのですよね。

 ただし、

 ――男も着るような鎧をまとった女戦士

 なら――
 たぶん、その色気は“健全”です。