――人の文化的な営みでは、“人体の人形化”が溢れている。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
このことは――
一見、ものすごく特異なこと、あるいは、異様なことに思えますが――
実際には――
それほど特異でも異様でもありません。
なぜ、そういえるのか――
……
……
人は――
自分の身の回りの様々な事物に関心を向け、それらを弄ろうとします。
それは――
きわめて自然な人の性質です。
人の周囲にある事物は2種類に分類されます。
人に関わる事物と関わらない事物との2種類です。
これらのうち――
人に関わる事物は2種類だけです。
人に関わる事象と物体との2種類です――「事物」は事象や物体の総称ですから、当然ですね。
では――
これらのうち、
――人に関わる物体
とは何か――
……
……
それは――
少なくとも直接的には――
1つしかありません。
――人体
です。
人が――
自分の身の回りの様々な事物に関心を向け、それらを弄ろうとすると際に――
その関心の対象に――
人体がならないほうが、むしろ不自然なのです。
そのような意味で――
人が人体を弄ろうとするのは、特異でも異様でもありません。
すなわち――
“人体の人形化”は特異でも異様でもないのです。