マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

天皇家の血筋が父系で受け継がれてきたわけ

 天皇家の父方の血筋が途絶えずに受け継がれてきたことを指して、
 
 ――天皇家Y染色体が受け継がれてきた。
 
 と主張することに、あまり意味はない――
 ということを――
 
 きのうの『道草日記』で述べました。
 
 理由は、
 
 ――Y染色体
 
 の概念が――
 近代生物学によって確立された概念であるからです。
 
 例えば、6世紀や16世紀には――
 「Y染色体」という概念は存在していませんでした。
 
 染色体の概念が確立されたのは19世紀のヨーロッパです。
 
 6世紀や16世紀の人々と21世紀の僕らとでは共有しようのない概念なのです。
 
 そんな概念を主語にして、
 
 ――受け継がれてきた。
 
 と主張することに――
 どれほどの意味があるでしょうか。
 
 それは――
 厳しくいえば、
 
 ――「Y染色体」という概念を知っている者の自己満足
 
 に過ぎない――
 ということです。
 
 ……
 
 ……
 
 では――
 
 ――天皇家の父方の血筋が受け継がれてきた
 
 ということを――
 僕らは、どのように捉えるのがよいのでしょうか。
 
 それは――
 例えば、「Y染色体」という概念を用いずに捉えることが――
 可能でしょうか。
 
 ……
 
 ……
 
 僕は――
 可能だと思っています。
 
 ……
 
 ……
 
 すでに多くのメディアで指摘されているように――
 
 父方の血筋が受け継がれてきた、ということは――
 とりもなおさず、
 
 ――結婚による女性の入籍は許しても、男性の入籍は許さなかった。
 
 ということです。
 
 では――
 
 なぜ男性の入籍は許さなかったのか――
 
 ……
 
 ……
 
 ここから先は推測になります。
 
 ……
 
 ……
 
 男性の入籍を許さないことで――
 男性同士による凄惨かつ不毛な争いを予防する意図があったのではないでしょうか。
 
 例えば、
 
 ――俺は皇女と結婚し、皇族になる!
 
 ――いや、俺が結婚し、皇族になる!
 
 ――いや、違う。俺だ!
 
 ――俺だ!
 
 ――俺だ!
 
 そんな争いを――
 
 女性ならば――
 きっと、しないであろう――
 
 ……
 
 ……
 
 そういう考えのもとに――
 
 天皇家の血筋は――
 この1400年以上の間――
 父系のみで脈々と受け継がれてきたように――
 
 僕には思えます。