マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

君主の家系の入れ替えが起きなかった理由

 この国の天皇家の血筋が父系で受け継がれてきたのは――
 天皇家の周囲の人たちが、
 
 ――“君主の争い”が起こることの不安
 
 を重く考えたためである――
 ということを――
 
 きのうの『道草日記』で述べました。
 
 ……
 
 ……
 
 この国の天皇家は――
 いわゆる“君主の争い”に巻き込まれることが、極めて少なかったのですね。
 
 巻き込まれそうになったことはあります。
 
 が――
 少なくとも――
 実際に“君主の争い”に巻き込まれ――
 それに敗れて根絶されてしまった、ということは――
 この1400年以上の間――
 一度もありませんでした。
 
 この国では――
 知られている限り――
 君主の家系の入れ替えが一度も起きなかったのです。
 
 このことは、
 
 ――日本史における最大級の謎
 
 とされています。
 
 ……
 
 ……
 
 近年――
 
 この謎を解く鍵となりそうな知見が――
 示されました。
 
 ――日本人は不安を感じやすい体質らしい。
 
 という知見です。
 
 もう少し医学・生物学らしくいうと、
 
 ――日本人は、不安の感受性を高める遺伝子をもっている人の割合が、外国人と比べ、有意に高いらしい。
 
 となります。
 
 ……
 
 ……
 
 簡単にいうと、
 
 ――この国の天皇家の血筋が父系で受け継がれてきたのは、不安を人一倍に感じやすい日本人が、“君主の争い”を人一倍に忌み嫌ってきた結果である。
 
 ということですね。
 
 ……
 
 ……
 
 もちろん――
 
 ことの真偽はわかりません。
 
 それを確かめるには――
 相応の手間と時間と人手とが必要です。
 
 が――
 
 (仮に、そうであったとして、とくに驚くことではない)
 と思います。
 
 たしかに――
 日本人は人一倍、不安を感じやすい人たちが多数派を占めているような気がしますし――
 
 また――
 そのような人たちが多数派を占めているのなら――
 いわゆる“君主の争い”は、徹底的に忌避されそうな気がします。