韓国のムン・ジェイン大統領が、3日前に、
――1度の合意で過去の問題に決着をつけることはできない。
と発言をしたそうです。
1965年に締結された日韓請求権協定が念頭にあったものと考えられています。
この発言を、僕はネット・ニュースで知りました。
はじめは、
(誤訳ではないのか)
と思いました。
今でも、その思いは捨てきれずにいます。
が、
――あれは誤訳であった。
とする指摘は、少なくとも現時点では、どこからも出されていないようです。
つまり、ムン・ジェイン大統領は、公式に「1度の合意で過去の問題に決着をつけることはできない」と述べたのは、本当のことのようです。
いま、
――本当のことのようです。
と、僕が述べたのは、僕には韓国の言葉がわからないからです。
それゆえに「あれは誤訳であった」との思いが捨てきれないのですが――
もし、誤訳でないのだとすれば――
韓国は、
――約束は、ときには破ってかも構わない。
という命題を、国民の総意として保持しているらしい、ということになります。
そのような命題を、個人や民間の組織として保持しているらしい例なら、決して珍しくはないのですが――
国家として保持しているらしい例というのは、たぶん珍しいでしょう。
少なくとも現代の国家についていえば、他に知りません。
きのうまでの『道草日記』で、僕は繰り返し、
――約束
について述べました。
昨今の韓国による対日本外交方針が、つねに頭の片隅にありました。
これまでに――海外で報道された内容の引用も含め――日本で報道されてきた内容によると――
韓国の対日本外交政策の基軸は――過去の政権はともかく、現在のムン・ジェイン政権についていえば――
――約束は、ときには破っても構わない。
という命題にあると、考えざるをえません。
そのような外交方針を掲げている国家――掲げているらしい国家――と、この先どのように向き合っていけばよいのか――
大いに悩むところです。
もちろん、きのうの『道草日記』で述べた通り、
――「結んでは破られ、結んでは破られ――」の“約束の結び直し”を忍耐強く続けていくより、ほかはない。
との結論に当座は安住することです。
なぜか――
――韓国は隣国だから――
です。
隣国との関係を断つことは、地理的に――地政学的に――たぶん無理だと思います。