韓国との関係を語るのは、様々な背景を理解しておかねばならないので、かなり厄介といえます。
最も理解しておかねばならないことは、
――分断された国家のうちの片方
である、ということでしょう。
“分断された国家のうちの片方”なので――
厳密には、国家ではないかもしれない――
こう述べると、韓国の人たちから怒られるかもしれません。
が、
――分断されたままなので、今は本来あるべき姿をしていないのだ。
という思いを、韓国の人たちの多くがもっていたとしても――
それは全く不自然なことではないと、僕は感じます。
その思いは、むしろ、朝鮮半島の歴史を振り返れば、ごく自然なのです。
朝鮮半島は、南北2つよりもっと細かく分断されていた時代もありましたが、総じて分断されていない時代のほうが常態である点では、日本列島と同様です。
もし、日本が、太平洋戦争(大東亜戦争)以後、南北ないし東西に分断されて今日に至っていたとしたら――
僕も、日本列島の歴史を振り返り、
――この国は今、本来あるべき姿をしていない。
と絶対に思ったはずです。
誤解のないようにいっておきますと――
もちろん、韓国は国家です。
日本を含む多くの国家によって、
――国家
として承認されています。
この一事をもって、韓国は国家です――それは、紛れもない事実です。
が――
歴史を振り返るならば――
素朴な心情として、今の韓国の姿を、
――国家
とみなすのは、ちょっと難しいのではないか――
とりわけ、ほかならぬ韓国の人たちにとって、難しいのではないか――
そういうことです。