――感情の軸
というものを考えるなら、
――感情の強度が原点の近くで低いのか高いのか。
が関心事になる――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
つまり――
その“感情の軸”において――
感情の強度は原点を“谷底”としているのか、それとも“山頂”としているのか――
ということです。
実は――
どちらのモデルも一長一短なのです。
――怯(ひる)み・勇(いさ)み
の軸、ないし、
――怯み・奮(ふる)い
の軸を例にとって考えてみますと――
原点を“谷底”とするモデルは、
←錯乱―臆病―心配―平静―自信―過信―傲慢→
←恐慌―不安―安穏―安穏―安穏―不穏―興奮→
であり――
原点を“山頂”とするモデルは、
←平静―心配―臆病―錯乱―傲慢―過信―自信―平静→
←安穏―安穏―不安―恐慌―興奮―不穏―安穏―安穏→
であるのですが――
“谷底”モデルでは――
「平静」ないし「安穏」といった日常的な感情が原点を基準に描かれるので、感情の強度の分布が直感的に受け入れやすい反面――
感情の強度の分布が二峰性を示すので、「錯乱」「傲慢」ないし「恐慌」「興奮」といった高い強度の感情をあえて相異なる2種類の感情に区別する――例えば、あえて「錯乱」と「傲慢」との2種類に区別したり、あえて「恐慌」と「興奮」との2種類に区別したりする――必要があります。
一方――
“山頂”モデルでは――
感情の強度の分布が二峰性を示すわけではないので、「錯乱」「傲慢」ないし「恐慌」「興奮」といった高い強度の感情をあえて相異なる2種類の感情に区別する――例えば、あえて「錯乱」と「傲慢」との2種類に区別したり、あえて「恐慌」と「興奮」との2種類に区別したりする――必要がない反面――
「平静」ないし「安穏」といった日常的な感情が無限遠方を基準に描かれるので、感情の強度の分布が直感的に受け入れにくいのです。
どちらがよいか――
それは、
(もう個人の好みで決めるしかないんじゃないか)
と、僕は思います。