いわゆる、
――満州地域
の人々は、
――比較的、冷静で楽観的な発想
の持ち主である――
ということを、ここ3日ほどの『道草日記』で述べてきました。
では、
――日本列島
の人々はどうなのか、というと――
――比較的、熱烈で悲観的な発想
の持ち主である――
と、僕は考えています。
実は――
12世紀の金や17世紀の清と同じように――
20世紀序盤の日本が、“満州地域”から黄河流域や長江流域への進出を試みているのです。
いわゆる日中戦争です。
開戦は1937年――当時の日本は、朝鮮半島および“満州地域”を支配下に収めていました。
その8年後の1945年に――
日本の試みは頓挫をするわけですが――
頓挫の理由は明白でした。
1941年に対アメリカ戦争を始めたからです。
その過程を詳細に述べることはしませんが――
ごく簡単にいえば――
中国の全土を支配下に収めようとしているうちに、アメリカなどのことが気になって、太平洋戦争(大東亜戦争)を始めたところ、中国のことどころではなくなった――
といういうことです。
アメリカなどのことが気になったのなら――
アメリカに戦争をしかける前に、いったん“満州地域”へ退却をして――
中国の全土を支配下に収めようとする方針を一から練り直せば、何とかなったかもしれないのですが――
そのような、
――比較的、冷静で楽観的な発想
というのが、当時の日本列島の人々には持てなかったのですね。
むしろ、
――比較的、熱烈で悲観的な発想
のもとに、一か八かの大勝負――対アメリカ戦争――を始めてしまった――
……
……
そのような意味で――
20世紀序盤の日本は、12世紀の金や17世紀の清とは、本質的に違っていた、と――
僕は考えます。