マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

その歌はファシズム的か

 ――花は咲く

 というチャリティーソングのことを悪くいう人は少数である――

 と、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 少数ではあっても――

 この歌を悪くいう人たちはいます。

 

 そうした人たちの主張のなかで、

 (なるほど……)

 と、僕が思えるのは、

 ――『花は咲く』はファシズム的である。

 という主張です。

 

 ――ファシズム

 ついては――

 2021年1月16日の『道草日記』で述べました。

 

 漢字で記せば、

 ――結束主義

 です。

 

 その意味は――

 ごく簡単にいってしまうと、

 ――特定の個人や集団に狂信的に従って、異論を暴力的に封じようとする思想

 となります。

 

 よって、

 ――『花は咲く』はファシズム的である。

 と主張をしている人たちは、

 ――花は咲く

 の歌詞や旋律を悪くいっているというよりは――

 この歌を肯定的ないし賛美的にとらえ、熱心に後押しをしようとする世相を悪くいっているのだ、と――

 僕は感じます。

 

 その気持ちは――

 僕も、わからないではありません。

 

 たしかに――

 『花は咲く』を取り巻く震災後の社会情勢から、ある種の異様な雰囲気が、ほのかに感じとれたことを――

 僕は否定はしません。

 

 が――

 少し冷静になって――

 この歌の詞だけをよんでみると、

(べつにファシズム的ではないだろう)

 と、僕は思います。

 

 きのうの『道草日記』で述べたように――

 この歌は、死んだ後の人が生まれる前の人に向かって呼びかけているように、僕には聴こえるのです。

 

 たしかに、

 ――死んだ後の人が生まれる前の人に向かって結束を呼びかけているのだ。

 と、いえなくはありませんが――

 

 たんなる、

 (いいがかりだろう)

 と、僕は思います。

 

(だって、死んだ後の人と生まれる前の人と、どうやって結束しようっていうんだよ)

 そう思うのです。