マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

持続可能な開発目標:“不衰不滅”や“汎憂根絶”の発想

 人の社会の“寿命”が100万年くらいあるならば――

 現代に生きる僕らが、

 ――社会という生態

 における、

 ――不衰不滅(ふすいふめつ)

 や、

 ――汎憂根絶(はんゆうこんぜつ)

 について考えることは、それほど不毛ではない――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 それは――

 さながら、10代の若者が、

――運動を怠けて実際の年齢以上に老け込んだりしないように、毎日、適度に体を動かそう。

 とか、

 ――どんなに軽い症状であっても、何か体の不具合を感じたら、すぐに医者に診てもらおう。

 とかいった感じで「不老不死」や「汎症根治」について考えることと同じくらい――

 きわめて健全なことといえます。

 

 2015年の国連総会で採択をされた、

 ――持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs

 は――

 そうした思想を踏まえて考案されたものといってよいでしょう。

 

 ――持続可能な開発目標

 として、具体的に17の世界的目標(Global Goals)が定められています。

 

 例えば、

 ――貧困をなくそう(No Poverty)

 とか、

 ――質の高い教育をみんなに(Quality Education)

 とか、

 ――ジェンダー平等を実現しよう(Gender Equality)

 とかいった目標です。

 

 あるいは、

 ――働きがいも経済成長も(Decent Work and Economic Growth

 とか、

 ――産業と技術革新の基礎をつくろう(Industry, Innovation and Infrastructure)

 とか、

 ――気候変動に具体的な対策を(Climate Action)

 とかいった目標も掲げられています。

 

 これら17の目標は互いに独立をしているわけではなく、互いに密接に関わり合っているとみなされています。

 

 よって、わざわざ17に分けて設定をする必要はなかったはずですが――

 目標を個別に記すことで、それら目標の達成基準や、その基準に用いられうる指標を具体的に示しておきたかったのでしょう。

 

 ――少しでも個別・具体的に――

 というのが、いわゆる、

 ――持続可能な開発目標

 の土台にはあるようです。

 

 目標を個別・具体的に定めるには、問題を個別・具体的に見出すことが必要です。

 

 例えば、

 ――貧困

 とか、

 ――教育の質の低下

 とか、

 ――ジェンダー不平等

 とか――

 

 あるいは、

 ――働きがいの喪失や経済成長停滞

 とか、

 ――産業の衰退や技術革新の低迷

 とか、

 ――気候変動の脅威

 とか――

 

 このように問題を――浮世の内憂を――片っ端から挙げていく発想は――

 まさに、

 ――汎憂根絶

 そのものです。

 

 その先に見据えているのは――

 もちろん、

 ――不衰不滅

 に違いないでしょう。