マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

有機物最後の世代と無機物最初の世代との断絶

 ――自分たちの体を有機物から無機物に作り換える。

 ということは、

 ――自分たちの子孫の体を全て無機物に変えてしまう。

 ということである――

 ということを、おとといの『道草日記』で述べました。

 

 この場合の「有機物」や「無機物」は――

 厳密な意味での「有機物」や「無機物」ではなくて――

 それぞれ、

 ――生体に関わる自然物

 や、

 ――生体に関わる人工物

 くらいの意味である――

 ということは、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 以上を前提に据え――

 もう一度、

 ――自分たちの体を有機物から無機物に作り換える。

 ということを真剣に考えてみますと――

 

 その作り換えの途上では――

 壮絶な、

 ――世代間の断絶(generation gap)

 が生じるとわかります。

 

 子の世代は全て無機物の体なのに――

 親の世代は全て有機物の体なのです。

 

 有機物最後の世代と無機物最初の世代との断絶――

 

 それは――

 いわゆるSF(science fiction)の物語の格好の題材に違いありません。

 

 おそらく――

 有機物最後の世代は、無機物最初の世代が、まるで有機物の体をもっているかのように装わせるでしょう。

 

 よって――

 有機物最後の世代と無機物最初の世代は、たぶん外見上は、そっくりでしょう。

 

 が――

 無機物最初の世代が次の世代を作りあげるときは、どうか――

 

 ……

 

 ……

 

 おそらく――

 有機物最後の世代の外見とは、似ても似つかぬ外見に作り上げるでしょう。

 

 幸いなことに――

 その“似ても似つかぬ外見”を、有機物最後の世代が目の当たりにすることはないはずです。

 

 なぜならば――

 無機物最初の世代の寿命は、有機物最後の世代の寿命よりも、桁違いに長いはずであるからです。

 

 10倍、100倍、1,000倍といった長さでしょう。

 

 つまり――

 有機物最後の世代は、自分たちの孫の世代と直に対面をすることは、おそらく、ありえません。