マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

地球上を自在に動ける状態

 ちょっと話が破天荒になりすぎていますけど、

 ――カルダシェフの尺度(Kardashev scale)

 の“2の段階”や“3の段階”について、あれこれと思うところを述べるのは――

 けっこう面白いものですね。

 

 調子に乗って、もう少し――

 この話を続けたいと思います(笑

 

 ……

 

 ……

 

 話の煩雑を避けるために――

 いま、

 ――カルダシェフの尺度

 の3つの段階――つまり、


 1.惑星の表面で得られるエネルギーの全てを用いうる段階

 2.恒星が放射をしているエネルギーの全てを用いうる段階

 3.銀河が内蔵をしているエネルギーの全てを用いうる段階

 

 の3つを――

 以下のように呼ぶこととします。

 

 1.「地球文明」の段階

 2.「太陽文明」の段階

 3.「銀河文明」の段階

 

 このとき、

 ――汎症根治(はんしょうこんち)

 や、

 ――不老不死

 は、“地球文明”が“太陽文明”へ格上げになる途中で起こり、

 ――汎憂根絶(はんゆうこんぜつ)

 や、

 ――不衰不滅(ふすいふめつ)

 は、“太陽文明”が“銀河文明”へ格上げになる途中で起こる――

 といえます。

 

 ここで――

 簡単な計算を試みましょう。

 

 21 世紀序盤の現代において――

 人は、だいたい 1 日あれば、地球上のあらゆる場所へ――少なくとも、地球上の殆どの要所へ――赴くことができる――

 と考えられているそうです。

 

 このような状態を、

 ――地球上を自在に動ける状態

 と呼びましょう。

 

 ここで重要なのは、

 ―― 1 日

 という時間の長さが、人の寿命に占める割合です。

 

 人の寿命を 80 年とすると――

 日数に換算をすれば、

 ――約 30,000 日

 ですね。

 

 よって――

 21 世紀序盤の現代において――

 人は、自分たちの寿命の 30,000分の1 を費やして、地球上のあらゆる場所に赴けている――

 ということになります。

 

 では――

 同じことを太陽系に当てはめたら、どうでしょうか。

 

 もちろん――

 人が、

 ――太陽系を自在に動ける状態

 であるためには、

 ―― 1 日で太陽系のあらゆる場所に赴けること

 が必要かつ十分であるはずですね。

 

 ところが――

 1 日で太陽系のあらゆる場所に赴けるというのは、そんなに簡単なことではなさそうです。

 

 20 世紀において――

 人が地球上から打ち上げた探査機が太陽圏(狭義の太陽系)の外へ出るのに費やした時間は、ざっと 30 年でした。

 これを「1 日」に縮めるのは、もちろんのこと、「3 日」とか「10 日」とかに縮めることさえ、かなり困難でしょう。

 ひょっとすると、「1 年」とか「3 年」とか「10 年」とかに縮めることさえ、十分に困難かもしれない――

 

 では――

 人が、

 ――太陽系を自在に動ける状態

 を手にするのは絶望的かというと――

 そうではありません。

 

 移動にかかる時間を縮める以外に――

 あるものを伸ばせばよいからです。

 

 その「あるもの」とは何か――

 

 ……

 

 ……

 

 寿命です。

 

 ……

 

 ……

 

 ――寿命を伸ばす? なんだそりゃ、ずいぶん話が飛んだな。

 と呆れる向きもあるかもしれませんが――

 

 きのうまでの『道草日記』で繰り返し述べてきた、

 ――汎症根治

 や、

 ――不老不死

 という概念は――

 要するに、

 ――寿命を大幅に伸ばす。

 ということですから――

 実は――

 そんなに話は飛んでいません。