――カルダシェフの尺度(Kardashev scale)
に、
――汎症根治(はんしょうこんち)
ないし、
――不老不死
を照らし合わせるなら――
これらが成し遂げられるのは、
――惑星の表面で得られるエネルギーの全てを用いうる段階(“カルダシェフの尺度”の“1の段階”)から、恒星が放射をしているエネルギーの全てを用いうる段階(“カルダシェフの尺度”の“2の段階”)へと至る過程
であろう――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
この過程で――
人は、自分たちの個体を有機物から無機物に作り換える必然性に触れるに違いない、と――
どういうことか――
……
……
簡単にいうと、
――カルダシェフの尺度
の“1の段階”から“2の段階”へ至る際に――
人は、自分たちの主要な活動場所を大気圏内から大気圏外――つまり、宇宙空間――へ移すからです。
惑星の大気で覆われていない宇宙空間では、当然のことながら、有機物の体は不便この上なく――
よって――
人は、無機物の体をがぜん手に入れたくなるに違いないのです。
以上の話は――
そんなにわかりづらくないと思います。
他方――
……
……
きのうの『道草日記』では、
――カルダシェフの尺度
に、
――汎憂根絶(はんゆうこんぜつ)
ないし、
――不衰不滅(ふすいふめつ)
を照らし合わせるなら――
これらが成し遂げられるのは、
――恒星が周囲に放射をしているエネルギーの全てを用いうる段階(“カルダシェフの尺度”の“2の段階”)から、銀河が内蔵をしているエネルギーの全てを用いうる段階(“カルダシェフの尺度”の“3の段階”)へと至る過程
であろう――
ということも述べました。
この過程で――
人は、自分たちの生態を、複数の自我が混在をする社会から単数の自我が統一をする社会へと切り替える必然性に触れるに違いない、と――
これは――
いったい、どういうことでしょうか。
……
……
ちょっと、わかりづらい話であろうと思います。
なので――
やや詳しく説明をしますと――
……
……
前提としてあるのは――
おそらく、人は、自分たちを育んだ恒星――太陽――の周囲で活動をしている間は、他の恒星によって育まれた知的生命体と接触をしないで済む――
ということです。
自分たちを育んだ恒星の周囲を離れ、自分たちを育んだ銀河に探査を手を伸ばすときに――
人は、他の恒星によって育まれた知的生命体と初めて接触をする――
その際に――
もし、自分たちの社会が複数の自我の混在を許していると――
それら自我のうちの1つが、他の恒星によって育まれた知的生命体と不用意に接触を試みる結果、自分たちの生態が根絶やしにされてしまうかもしれません。
接触をしてもよいのは――
その知的生命体が、人と同じくらいに進んだ文明を築いているか、人よりも遅れた文明を築いているかの場合だけです。
もし、人よりも進んだ文明を築いていたら――
おそらく、人は滅ぼされます。
探査の最前線にある任意の自我が、独断や暴走を不用意にすることによって、自分たちの生態が根絶やしにされかねない――
そんな危険を冒すわけにはいかないので――
人は、自分たちの生態を、複数の自我が混在をする社会から単数の自我が統一をする社会へと切り替えようとするに違いないのです。