マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“文明社会の自滅”は僕らには差し迫った脅威だが……

  ――僕らと同程度の文明や僕らの認識が及びうる程度に高度な文明にとって、“宇宙規模の災害”は普遍的な脅威といえそうであるが、“文明社会の自滅”は、果たして普遍的な脅威といえそうであろうか。

 ということを――

 7月29日の『道草日記』で述べました。

 

 この問いへの答えは――

 ちょっと一筋縄ではいきません。

 

 その理由は――

 きのうまでの『道草日記』で述べてきたように――

 僕らと同程度の文明や僕らの認識が及びうる程度に高度な文明を築く地球外知的生命体が、僕らと殆ど同じ身体を備えている可能性がある一方で、僕らと全く異なる精神を備えている可能性があるからです。

 

 その地球外知的生命体が、僕らと殆ど同じ身体・同じ精神を備えているならば――

 彼らの築く文明は、僕らが築いた文明と同じように、

 ――文明社会の自滅

 が、差し迫った脅威となるでしょう。

 

 が――

 僕らと殆ど同じ身体を備えつつ、僕らと全く異なる精神を備えているならば――

 彼らの築く文明は、僕らが築いた文明とは違って、

 ――文明社会の自滅

 が、差し迫った脅威とはならない可能性があります。

 

 核戦争を起こしたり、人工知能を生み出したりしそうにない知性を備えている可能性があるからです。

 

 例えば、オランウータンやイルカが、今後どんどん彼ら自身の知性を研ぎ澄ませていったとして――

 遠い将来、核戦争を起こしたり、人工知能を生み出したりするでしょうか。

 

 まあ、するかもしれませんが――

 

 ――必ず、する。

 とは、ちょっといえそうにありません。

 

 そのような意味で、

 ――文明社会の自滅

 は、僕らにとっては、おそらくは差し迫った脅威なのですが――

 この宇宙の全体においては、

 ――真に普遍的な脅威

 とまではいえないでしょう。