マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「シナプス」よりは「接合部」――

 神経細胞神経細胞との間にある接合部を表す言葉、

 ――シナプス(synapse)

 には――

 このカタカナ表記以外に適切な日本語がない――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ――シナプス

 というカタカナ語が嫌いな僕にとっては――

 実に困ったことである、と――

 

 ……

 

 ……

 

 ――Synapse

 という言葉は、ギリシャ語で「繋ぎ合わせて留める」という意味の言葉を語源にしているといわれています。

 命名者は、19世紀から20世紀にかけて活動をしたイギリスの生理学者チャールズ・シェリントン(Charles Sherrington)であるそうです。

 ギリシャ語に詳しかった友人の提案を受け入れた結果であるとか――

 

 ……

 

 ……

 

 ――シナプス

 は、

 ――繋ぎ合わせて留める

 という意味の言葉が語源なので――

 例えば、

 ――連結部

 といった漢字表記をとってもよいと思うのですが――

 皆さん、どういうわけか、

 ――シナプス

 というカタカナ表記を好みます。

 

 辛うじて、

 ――接合部

 という言葉が使われることはありますが――

 たいていは神経細胞と筋肉細胞との間にある接合部を指し、神経細胞神経細胞との間にある接合部を指すことは稀です。

 

 ちなみに――

 神経細胞と筋肉細胞との間にある接合部は、

 ――神経筋接合部(neuromuscular junction)

 と呼ばれます。

 

 つまり――

 日本語の、

 ――接合部

 は、英語では、

 ――Junction

 なのですね。

 

 よって――

 英語の、

 ――Synapse

 に、

 ――接合部

 という日本語をあてるのも、本当は、不自然なのです。

 

 それでも――

 僕は、

 ――接合部

 を用いることにしています。

 

 ――シナプス

 よりは遥かに確かに意味が伝わってくるからです。