――ロシア政府の首脳部は、自分たちの主張が“世界の多数決”によって拒まれていると感じているのではないか。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
が――
この、
――世界の多数決
というのも――
その内実は、それほど単純ではありません。
2014年にロシア政府の首脳部が、
――主要8か国首脳会議
の席から外されていることは――
おととい以降の『道草日記』で繰り返し述べています。
ロシア政府の首脳部は、主要8か国首脳会議の多数決によって――
その首脳会議から締め出されたのです。
少なくとも主要8か国首脳会議では――
ロシア政府の首脳部は、どうしようもないくらいに少数派でした。
が――
世界を広く見渡せば――
必ずしもロシア政府の首脳部が少数派とはいいきれません。
様々な調査機関の報告によって――
近年、世界の国々のうち、ロシアのような非民主主義国家の占める割合が 50 %を超えているとみなされるようになっています。
主要8か国首脳会議に参加をしていた国のうち、ロシア以外の 7 か国は民主主義国家でしたが――
世界を広く見渡せば――
ロシア以外の 7 か国のほうが、実は少数派なのですね。
もちろん――
今回のロシア政府によるウクライナ侵攻を受け――
2022年3月2日、国連総会の緊急特別会合は、ロシア政府への非難の決議を、
賛成 141 反対 5
で採択をされましたから――
その時点で、ロシア政府が世界の多数派でなかったことは明らかです。
が――
この非難の決議の採決で棄権をした国が 35 か国もあったことを忘れるわけにはいきません。
その 35 か国の中には、
――ロシア政府の首脳部の主張は正しい。
と考えている人たちが主流派である国が相当数あることでしょう――少なくとも、決して 1 か国や 2 か国ではないはずです。
――“世界の多数決”で今は負けているが、いずれ何かの拍子で勝てる日がくるに違いない。
そんなふうに――
ロシア政府の首脳部は高を括っているのかもしれません。