――核兵器は抑止力になる。
という考えがありました。
――核兵器は一度に大勢の人々を殺し尽くし、しかも、その後に残される放射能汚染によって、人が何年も住めなくなる。そんな兵器を外国に使えば、必ず自国も同じように反撃をされると考えるのが自然であるから、人は核兵器の使用を思い止まるのだ。
という考えです。
が――
今回のロシア政府によるウクライナ戦争を機に、
――「核兵器は抑止力になる」というのは幻想だ。
という考えが勢いを持ち始めています。
――手にしている道具は必ず使いたくなるのが人だ。そして、ひとたび手にした道具を、人は、そう簡単には手放さない――その道具が「あきらかに役立たず」とみなされるまでのあいだは――
というのです。
実際に――
ロシア政府の最高指導者は、核兵器を含む大量破壊兵器を場合によっては使ってみせようとする素振りをみせているようです。
――その道具は、何のために手にしているのか。いつの日か使うためである。
というのでしょう。
核兵器も人の道具であることに変わりはありません。
……
……
核兵器の廃絶で必要なことは明らかです。
核兵器を無効にする防御兵器の開発です。
いわば、
――完全防御兵器
ですね。
そういう防御兵器が開発をされうるのか――
されうるとしたら、どんな原理で核兵器を無効にしうるのか――
軍事の素人である僕には、まったく見当もつきませんが――
もし、そんな兵器が開発をされたら――
核兵器は、
――あきらかに役立たず――
とみなされるでしょう。
そうなれば――
(そうなってくれたら、どんなにか安心か)
と思うのですが――
そうなったら、そうなったで――
核兵器よりも更に恐ろしい大量破壊兵器が開発をされるのでしょうね、きっと――
――完全防御兵器
より、
――大量破壊兵器
のほうが、開発は簡単そうです。