マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

“超国家共同体”は、かなり緩やか

  政府:個人 = X:Y

 の図式の「X」に「超国家共同体」を当てはめるならば、「Y」には「国家」の代わりに「文化圏」や「言語圏」を当てはめる必要がある――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 ――文化圏

 も、

 ――言語圏

 も様々な意味で用いられる言葉です。

 

 ここでいう、

 ――文化圏

 ないし、

 ――言語圏

 というのは――

 国家の主権が失われるか、弱められるかした後に残る共同体のようなもので、

 ――かつて1つの国家に所属をしていた人々が集まって生じている生活圏

 くらいの意味です。

 

 今は、便宜上、

 ――旧国家圏

 と呼ぶことにします。

 

 つまり――

 今日の国際連合ヨーロッパ連合北大西洋条約機構などの組織を、

 ――超国家連合体

 と呼ぶときに――

 

  政府:個人 = 超国家連合体:国家

 であるならば――

 

  政府:個人 = 超国家共同体:旧国家圏

 となります。

 

  政府:個人 = 超国家連合体:国家

  政府:個人 = 超国家共同体:旧国家圏

 というように、2つの図式を併せみることによって、

 ――超国家共同体

 の特徴が、よくわかります。

 

 ――政府

 や、

 ――超国家連合体

 は――

 それぞれ、

 ――個人

 や、

 ――国家

 といった明確な要素から構成をされ、成立をするのに対し――

 

 ――超国家共同体

 は、

 ――旧国家圏

 という曖昧な要素から構成をされ、成立をするのです。

 

 構成をする要素が曖昧なので――

 それら要素に基づく組織は、当然のことながら、かなり緩やかです。

 

 例えば、

 ――超国家共同体

 の最高指導者を決める選挙は――

 ほぼ間違いなく間接選挙になるでしょう。

 

 その間接選挙の投票人は、

 ――旧国家圏

 の人々による直接選挙で決まるかもしれませんが――

 ひょっとすると――

 例えば、意識調査の結果のようなもので、何となく決まってしまうかもしれません。