条件付きの永遠平和なら――
地球外知的生命体の脅威が地球上の全ての国家で共有をされさえすれば――
すぐにでも訪れるであろう――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
――永遠平和
というのは――
18世紀プロセインの哲学者イマヌエル・カント(Immanuel Kant)が触れた、
――永遠平和(ewigen Frieden)
のことです。
18世紀のヨーロッパを生きたカントが、
――地球外知的生命体
の概念――
および――
その実在の可能性をどのように捉えていたかは気になるところです。
17世紀の時点で、いわゆる古典力学の見地から、太陽系の凡(およ)その構造が判明をしていました。
そのような知見を踏まえることで――
ヨーロッパの教養人たちは、17世紀の時点で、すでに、
――地球外知的生命体
の概念を、今日のそれに多少なりとも近い形で、捉えていたと考えられています。
よって――
18世紀の時点で、カントほどの哲学者が、
――地球外知的生命体
の概念を知らなかったはずはありません。
カントも案外、
――ほんの 200 ~ 300 年も経てば、地球外知的生命体の実在が確認をされ、地球上の全ての国家が、好むと好まざるとにかかわらず、平和連合(foedus pacificum)を作りあげることに同意をするであろう。
と考えていたのかもしれません。
18世紀のヨーロッパにとって――
15世紀から17世紀までの大航海時代がもたらした世界観の激変は、
――つい、この前――
の過去でした。
大航海時代の熱気が完全には冷め切っていなかったはずの18世紀からみたら――
21世紀の未来は、
――人が、少なくとも太陽系の全域くらいは、自在に行き交っている未来
であったかもしれません。
もし、そういう未来を思い描いていたのなら――
カントが、永遠平和の訪れを自明とみなした理由も、よくわかる気がします。