――超国家共同体
の成立は――
18世紀プロセインの哲学者イマヌエル・カント(Immanuel Kant)が夢にみた、
――永遠平和(ewigen Frieden)
の実現の前兆であるに違いない――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
カントの哲学の領域における業績は多岐にわたっていて――
とても一言でまとめることはできませんが――
それでも――
あえて一言でまとめるとするならば――
――客観の確かさに対して、どうにかして保証を与えようとした。
となるでしょうか。
――主観
と、
――客観
との間には広大な乖離があるように感じられます。
僕らは、しょせんは主観でしか世界や事物を捉えることができないように思えます。
それにもかかわらず――
僕らは、なぜか世界や事物が客観的に存在をしているかのように捉えられている――
これは、なぜなのか――
つまり、
――人は、主観から、いかに客観を作り上げているのか。
という問いです。
この問いは――
古来、哲学の領域における重要な課題――ひょっとすると、最も重要な難題――でありつづけてきたのですが――
この難題に、カントは正面から取り組み、当時としては画期的な発想に依ることで、
――主観
と、
――客観
との乖離を埋めようとしました。
その試みが巧くいっているとは――少なくとも、僕には――ちょっと思えないのですが、
――18世紀の哲学としては、ギリギリの結論に到達をしていた。
といってよいとは思っています。
そんなカントの発した問いの中に――
21世紀序盤の現代においても、何ら輝きを失っていない問いがあります。
その問いというのは、
――どうすれば永遠平和が訪れるか。
です。